このページには、エマオ塾教育講演会(2024年7月15日に大阪府堺市で開催)における、永山操副塾長の講演内容が掲載されています。
(1)最高の教育とは
このタイトルは吉永小百合主演の映画「最高の人生の見つけ方」からヒントを得てつけました。この映画の主人公である女性たち二人は末期癌を宣告され、残り少ない人生最晩年の時間をドラマチックに過ごします。その中で、家族との和解や家庭内の問題解決が生じ、彼女達は死では終わらない希望を、家族や未来の世代へ託して世を去っていくというストーリーです。
これが「最高の人生の見つけ方」なのでしょうか?残された時間が少なくなって「最高の人生」を見つけるのでは、余りにも消極的ではありませんか?もっと積極的に「最高の生き方」を教えてもらいたいですね。これを教えるのが「最高の教育」ではないでしょうか?
では「最高の教育」とは何でしょう?
まず思い浮かぶのは、恵まれた環境です。美しい自然や整った建物に囲まれており、優れた教師が待っている。米国カリフォルニア州にあるスタンフォード大学は、そうした理想的な大学の一つで、確かに最高の教育がありました。
しかし、かつての美しい自然に囲まれた一般市民のための学び舎は、今やすっかり高嶺の花となってしまいました。よほど優秀か裕福でないと、ここで教育を受けることはできません。
エマオ塾は熊野の大自然の中に位置し、生徒を生かす「最高の教育」を無償で提供しようという志を持っています。
(2)真理は人を自由にする
ある18歳の男子は、やりたい事の筆頭に「バイトと車の免許を取ること」を挙げました。確かにバイトをすればお金を稼げますし、車の免許を取れば、車を使って行きたい所へ行けるようになります。知恵・知識を身に付けると、仕事や免許を得られるでしょう。今までよりもずっと自由になったような気がします。しかし現実は、僅かな自由を得るために多くの不自由を引き受けなければなりません。副題に掲げた聖書の言葉の「真理」は、学校教育で学ぶ知恵・知識のことではないのです。
(3)真理とは「聖書の神の創造目的」のこと
先生と生徒との関係は、神と人との関係に擬えて考えられます。天地創造の主なる神は、ご自分のお造りになった世界について熟知しており、その中で人間に生き生きと生きてもらいたいと願っておられます。この「生き方」が「聖書の神の創造目的」であり、「異なるものが互いに愛し合って一つとなる世界造り」という「真理」です。神は常に「真理」を教えたい、と人を探しておられます。そして「見つけた!」と選ばれた人は大変幸いです。
興味深いことに、神が目をつけるのは「うずくまっている人」です。神に気づいてもらえないと、埋もれてしまうような目立たない人です。
実はエマオ塾の先生達も、「真理」を教えたいと真の生徒を探しています。エマオ塾に出会わなければ、生き生きと生きられない生徒です。ここにエマオ塾とスタンフォード大学との大きな違いがあります。
そうして「見つけられた生徒」は幸いです。愛された実感が伴い「信頼してついて行こう」と無理なく思えるのです。すると、まだ自分でも気づかない自分自身の美点が引き出されていきます。
(4)「最高の教育の見つけ方」とは?
まずは、真理を知る先生に見つけてもらうことです。そして見つけられた人は、その先生に信頼してついて行くこと、つまり自分の先生を見つけたというわけです。これこそが「最高の教育の見つけ方」です。真理を知る先生は、神の教育を施しますので、生徒にとっては常に発見や感動、そして努力の限界を遥かに超えた、報いの多い人生が始まります。これが真に価値のある「自由」ではないでしょうか?エマオ塾は、こうした「最高の教育」を提供する、選ばれた生徒たちのための学習塾です。
永山操