エマオ塾は、2024年春に開校した学習塾です。この夏初めて那智勝浦町浜の宮を会場として夏期講習会を開催しました。
塾生は3名でしたが、それぞれ年齢もエマオ塾へ来た動機も違い、日程もまちまちでした。
1番目に北海道余市から来た高二男子のJ君。彼は一時ゲーム依存と言われ、本人もご両親も深刻に悩んだ時期がありました。今回は「人間力をつけてくるように」との助言を受け入れてきました。でも「朝から晩まで勉強漬け?」と密かに不安を抱いていたそうです。
2番目に千葉県から来た中三男子のW君。彼は昨年まで不登校気味で、ご両親は深刻に悩んだそうです。しかし彼はエマオ塾の春期講習会に参加した事をきっかけに立ち直り、四月からは学校に行き部活にも参加してきました。今回は、エマオ塾のリピーターとして共同生活を楽しみながら、受験勉強と新宮市内の高校見学をしたいと希望されました。
3番目に北海道札幌から来た20代男性のMさん。彼は生まれつきハンディキャップを負っており、幼い頃から特別支援学級で療育を受けてこられました。現在は社会人として企業に就職し、この度より良い社員になるために、日本語検定5級の問題集を勉強したいと希望されました。
どうすればこのように全く異なる個性を持つ塾生達の願いを実現し、また彼らの個性が生かされるでしょうか?エマオ塾の講師陣は、塾生全員が満足するような夏期講習会を実現しようと、熱い思いを抱いたのです。
実は私達夫婦は、余市恵泉塾に滞在中、教育に関連する三つの経験をしました。それは
(1)姫路の学習塾インマヌエル学院の講師
(2)恵泉インターナショナルの留学生事業
(3)中国人日本語学校生徒たちの修学旅行
です。
(1)で生徒たちは、先生がただ単に学習塾で授業するだけでなく、彼らの体育会の応援に行ったことをとても喜び、それをきっかけに先生を信頼し授業に熱心になりました。このように生徒を色んな能力や個性を持つ一人の人間として理解すると、勉強を教え易くなりす。
(2)で知り合った高一男子は、米国へ留学しましたが現地で知り合った日本人の若者たちとネット交流することに夢中になり、ホストファミリーとも学校の先生や友達とも英語による人間関係をうまく作れませんでした。彼が欲していたのは、語学力ではなく友達だったのです。学期半ばで帰国した彼を、暫く私達の家庭に迎え、信仰を通じて立ち直らせる取り組みをした覚えがあります。
(3)で中国人修学旅行生たちは、余市恵泉塾の共同生活で、絶対に手離せないと信じていた携帯と漫画を手離せました。彼らは、初めて見た雪がとても珍しく、夢中になって皆んなで雪の万里の長城を作りました。大自然を相手に遊ぶ方がもっと楽しいことを発見したのです。
塾生を一人の人間として、愛し合う共同生活に迎え入れ、その生活の中で引き出される能力を伸ばし、彼の願いをかなえる。そして塾生同士が仲良くなるお手伝いをする。
今回の夏期講習会の到達目標をこのようにしたのは、先に挙げた三つ貴重な体験があるからです。私たちは、この目標に到達することで、人間性を調和的、全面的に発達させることができると信じており、その意味で「全人教育」という言葉を使っています。
その結果はどうであったか?上々の出来でした!エマオ塾ホームページの夏期講習会の記事をご覧ください!個人情報の都合上、表情をお見せできないのは残念ですが、講習会での日常生活や様々な活動、またその中で起きた奇跡(!)、また塾生たちの姿や自然な会話が、写真や動画、そして記事を通して生き生きと伝わってきます。後日談を一つ。エマオ塾で仲良くなったJ君とW君。彼らはエマオ塾で一旦別れた後、再び千葉県で再会しました。W君は自転車で45分掛けてJ君に会いに来て、一緒に教会の礼拝に参加したそうです!
「わたしの命じることを行うならば、あなたがたはわたしの友である。…わたしはあなたがたを友と呼ぶ。」(ヨハネ15章14、15節)
これはイエスキリストが弟子たちに向けて言われた言葉です。イエス様の命令は「互いに愛し合いなさい」、だから愛し合う弟子たちは、神であるイエス様に「友」と呼んでもらえます。
「あなたがたがわたしにつながっており、わたしの言葉があなたがたの内にいつもあるならば、望むものを何でも願いなさい。そうすればかなえられる。」(ヨハネ15章7節)
これもイエスキリストがご自分が友と呼ぶ弟子たちに向けて言われた言葉です。イエス様は、友の望むものの願いを何でもかなえてくださいます!
神様は、愛と約束に基づいて働いてくださるお方。私たち講師陣は、イエス様の代わりに塾生たちと「神の友情」を通して結ばれ、持てる一切の力を使って彼らを「生かそう」と努力します。すると神様が働き、発見や感動、そして努力の限界を遥かに超えた神業を皆で体験するのです!
エマオ塾は、こうした神が友と呼んでくださる、選ばれた生徒たちのための学習塾です。