
1. 不耕起栽培とは
耕起とは、土を掘り返したり反転させたりして耕すことです。
私達は、作物の植え付け前、耕うん機を使わずに鍬(くわ)のみを使って畑を耕します。また前作の収穫前に後作の種まきをしたり、収穫する際、作物が根っ子部分を畝に残したりします。このやり方を不耕起栽培といいます。

耕うん機は、土を掘り返すので、雑草を駆除したり空気を混ぜて土をフカフカにしたり、堆肥や肥料を混ぜて土壌改良できる、と考えます。しかし例えばミミズのように糞を出して本当の土作りをしてくれる最も大切な虫たちが、引っ掻き回されて死んでしまうのです。また作物が根を張り巡らして作った空気や水を運ぶ「根穴構造」も破壊してしまいます。詳しくは水口文夫著「家庭菜園の不耕起栽培」をご覧ください。
畑は人間が植物から「収穫のみを奪い取る」場所ではなく、人間、植物と動物が互いに「命を与え合い育て合う」場所なのです。
2. 「絶やさず」と「増やさず」
では「雑草や害虫はどうするの?」と思うでしょう。
︎雑草

私達は、畝に絶えず作物を作ることで、無理なく雑草を管理できます。まだ小さなうちなら土で覆うと成長を抑えられますし、また追肥を施す際にも草取りをしておきます。
作物が大きくなれば、雑草は収穫の邪魔にならない程度残しておいて良いのです。 返って畝上の土がむき出しになるのを防ぎ、土中の水分や空気を保ってくれるからです。
︎害虫

土を良くするのは、地中のミミズや微生物です。実や種が得られるのも、虫達が授粉を手伝ってくれるからです。だからなるべく虫にとっても暮らし易い畑が良いのです。
かといって、作物を喰い荒らす種類の虫ばかりが繁殖すると収穫がなくなってしまいます。だからある程度雑草が生えていると、それらを好む様々な虫たちがやって来て、互いに牽制し合い増え過ぎず、畑の作物が保たれることになります。
私達は除虫用に竹酢液のみを使い、農薬は一切使いません。
3. 山林と竹林と畑
これまで畑の土の中のお話をしてきましたが、最後に畑を取り巻くスケールの大きなお話をしましょう。私達は山林と竹林を所有しています。
︎山林

山林は腐葉土の宝庫です。また倒木や落枝は燃やすと炭や灰になります。炭はポット苗作りや虫除けに、灰は肥料に使います。
︎竹林

竹は畝の上に作るトンネルのアーチや支柱、風除けに使います。また燃やして竹炭を作れます。その時に出る煙を特別な製造装置で集めて冷やすと、竹酢液ができます。竹酢液は、除虫、微生物や細胞の活性化に効果があります。
ちなみに4月半ばから約一か月間、筍が取れ、私達の貴重な食べ物になります。
こうして私達は、畑を通して大自然の営みに参加し、「命を与え合い育て合う」喜びを肌で感じることができるのです。